要措置区域等内の土地の土壌を法の対象から外すための認定
要措置区域等外へ搬出する汚染土壌の汚染状態が土壌溶出量基準及び土壌含有量
基準に適合すると認められるものであれば、当該汚染土壌をあえて法の規制対象と
する必要はない。このため、搬出しようとする汚染土壌の汚染状態の調査方法及び
法の対象から外すための認定手続を定めることとした(法第16条第1項括弧書)。
なお、法の規制対象としないためには、25種のすべての特定有害物質について、
土壌溶出量基準及び土壌含有量基準に適合することを確認する必要がある。また、
認定調査は、汚染土壌の当該要措置区域等外への搬出時に必ずその実施を義務付け
られるものではなく、法の規制を受けないために任意に講じられる例外的な措置で
あることに留意されたい。
認定調査において、指定に係る特定有害物質の種類以外の特定有害物質の種類に
より土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合しない汚染状態にあることが明らか
となった場合には、土地の所有者等に対し、第4の3の指定の申請を活用させるよ
う促すこととされたい。
土壌汚染状況調査の過程の全部又は一部を省略して指定された要措置区域等から
汚染土壌の搬出を行おうとする場合においては、当該省略により第二溶出量基準及
び土壌含有量基準に適合しない汚染状態にあるとみなされた土地の区域内の土壌は、
当該汚染状態にあるとみなされることになるが、認定調査の過程で地歴調査を行っ
た上であれば、認定の対象となることとした。
① 調査方法
調査方法は、掘削前調査と掘削後調査のいずれかの方法とする(規則第59条)。
調査の方法については、いずれの調査においても、調査実施者が行う土壌の掘
削の対象となる土地(以下「掘削対象地」という。)における汚染のおそれの把
握に基づき、掘削対象地の土壌を特定有害物質の種類ごとに土壌汚染が存在する
おそれに応じて3種類に分類した上で、掘削前調査にあっては各区画を、掘削後
調査にあっては掘削して区分された土壌(以下「ロット」という。)を試料採取
等の単位として各分類ごとにそれぞれ定められた方法に従って、土壌の試料採取
等を実施する。
調査方法は、掘削前調査と掘削後調査のいずれかの方法とする(規則第59条)。
調査の方法については、いずれの調査においても、調査実施者が行う土壌の掘
削の対象となる土地(以下「掘削対象地」という。)における汚染のおそれの把
握に基づき、掘削対象地の土壌を特定有害物質の種類ごとに土壌汚染が存在する
おそれに応じて3種類に分類した上で、掘削前調査にあっては各区画を、掘削後
調査にあっては掘削して区分された土壌(以下「ロット」という。)を試料採取
等の単位として各分類ごとにそれぞれ定められた方法に従って、土壌の試料採取
等を実施する。
なお、この方法よりも詳細な方法で調査を行うことも認められる。
ア.掘削対象地における汚染のおそれの把握
調査実施者は、掘削対象地の区域について、土地利用の履歴、特定有害物質
の使用等の状況、土壌及び地下水の汚染の概況等の土壌汚染のおそれを推定す
るために有効な情報を把握することとした(規則第59条第2項第1号及び同
条第3項第1号)。
調査実施者は、掘削対象地の区域について、土地利用の履歴、特定有害物質
の使用等の状況、土壌及び地下水の汚染の概況等の土壌汚染のおそれを推定す
るために有効な情報を把握することとした(規則第59条第2項第1号及び同
条第3項第1号)。
ここにいう「汚染のおそれを推定するために有効な情報を把握」とは、土壌
汚染状況調査における地歴調査に加えて、掘削対象地における土壌の搬入履歴
や土地の形質の変更の履歴等区域の指定後の要措置区域等内の土地の土壌の汚
染状態に変更を生じる可能性のある履歴等を含むものとする。なお、土壌汚染
状況調査において地歴調査を既に実施している掘削対象地の区域については、
当該地歴調査の結果を利用することが可能であり、これに加えて、区域の指定
後の土地の形質の変更の履歴等を調査することとされたい。
汚染状況調査における地歴調査に加えて、掘削対象地における土壌の搬入履歴
や土地の形質の変更の履歴等区域の指定後の要措置区域等内の土地の土壌の汚
染状態に変更を生じる可能性のある履歴等を含むものとする。なお、土壌汚染
状況調査において地歴調査を既に実施している掘削対象地の区域については、
当該地歴調査の結果を利用することが可能であり、これに加えて、区域の指定
後の土地の形質の変更の履歴等を調査することとされたい。
イ.土壌汚染のおそれの区分の分類
調査実施者は、アにより把握した情報により、掘削対象地を特定有害物質の
種類及び汚染のおそれがある場所の位置ごとに土壌汚染が存在するおそれに応
じて次の3種類の区分に分類することとする(規則第59条第2項第2号及び
同条第3項第1号)。
なお、PCBを除く第三種特定有害物質については、アにより把握した情報
により、汚染のおそれがないと認められる場合は、土壌溶出量基準に適合しな
い土地とは通常は考えられないので、認定調査における土壌汚染のおそれの区
分の分類を不要とした。
(イ) 土壌汚染が存在するおそれがないと認められる土地
浄化等済土壌又は法第16条第1項の規定による都道府県知事の認定を受
けた土壌によって埋め戻されている土地等が該当する。ただし、当該埋め戻
し後に新たな汚染原因行為が行われた土地や形質の変更等により土地の土壌
の汚染状態に変更が生じている可能性がある土地は含まれない。
浄化等済土壌又は法第16条第1項の規定による都道府県知事の認定を受
けた土壌によって埋め戻されている土地等が該当する。ただし、当該埋め戻
し後に新たな汚染原因行為が行われた土地や形質の変更等により土地の土壌
の汚染状態に変更が生じている可能性がある土地は含まれない。
(ロ) 土壌汚染が存在するおそれが少ないと認められる土地
基準不適合土壌以外の土壌((イ)の土壌を除く。)によって埋め戻されて
いる土地が該当する。ここにいう「基準不適合土壌以外の土壌」とは、当該
埋め戻し土壌の搬入時に、埋め戻し土壌の汚染のおそれの目安として、汚染
のおそれのない場合にあっては5000立方メートル以下ごと、それ以外の
場合にあっては900立方メートル以下ごとに土壌溶出量又は土壌含有量を
測定した土壌とする。ただし、当該埋め戻し後に新たな汚染原因行為が行わ
れた土地や形質の変更等により土地の土壌の汚染状態に変更が生じている可
能性がある土地は含まれない。
(
基準不適合土壌以外の土壌((イ)の土壌を除く。)によって埋め戻されて
いる土地が該当する。ここにいう「基準不適合土壌以外の土壌」とは、当該
埋め戻し土壌の搬入時に、埋め戻し土壌の汚染のおそれの目安として、汚染
のおそれのない場合にあっては5000立方メートル以下ごと、それ以外の
場合にあっては900立方メートル以下ごとに土壌溶出量又は土壌含有量を
測定した土壌とする。ただし、当該埋め戻し後に新たな汚染原因行為が行わ
れた土地や形質の変更等により土地の土壌の汚染状態に変更が生じている可
能性がある土地は含まれない。
(
ハ) (イ)及び(ロ) 以外の土地
土壌汚染が存在するおそれが比較的多いと認められる土地が該当する。
土壌汚染が存在するおそれが比較的多いと認められる土地が該当する。
ウ.掘削前調査における区画の方法及び区画ごとに行う試料採取等(規則第59条第2項)
土壌汚染状況調査で用いた単位区画に準じて掘削対象地を区画した上で、区
画された掘削対象地(以下「掘削対象単位区画」という。)ごとの「土壌汚染
が存在するおそれ」により、密度を変えて試料採取を行うことする(規則第5
9条第2項第4号)。この密度の考え方については、土壌汚染状況調査におけ
る各単位区画ごとに行う試料採取等と基本的に同様であるが、土壌汚染が存在
するおそれが比較的多いと認められる土地のうち要措置区域等の指定に係る特
定有害物質の種類以外の特定有害物質の種類により分類されたものを含む掘削
対象単位区画については、900平方メートル単位で試料採取等を行うことに
留意されたい。また、900平方メートル単位で第二種特定有害物質又は第三
種特定有害物質に係る試料採取等を行う場合にあっては、30メートル四方の
格子状の区画内にある9つの単位区画のうち最大5つの単位区画の各1地点で
試料を採取することとする。
土壌汚染状況調査で用いた単位区画に準じて掘削対象地を区画した上で、区
画された掘削対象地(以下「掘削対象単位区画」という。)ごとの「土壌汚染
が存在するおそれ」により、密度を変えて試料採取を行うことする(規則第5
9条第2項第4号)。この密度の考え方については、土壌汚染状況調査におけ
る各単位区画ごとに行う試料採取等と基本的に同様であるが、土壌汚染が存在
するおそれが比較的多いと認められる土地のうち要措置区域等の指定に係る特
定有害物質の種類以外の特定有害物質の種類により分類されたものを含む掘削
対象単位区画については、900平方メートル単位で試料採取等を行うことに
留意されたい。また、900平方メートル単位で第二種特定有害物質又は第三
種特定有害物質に係る試料採取等を行う場合にあっては、30メートル四方の
格子状の区画内にある9つの単位区画のうち最大5つの単位区画の各1地点で
試料を採取することとする。
試料の採取については、掘削対象単位区画の中心(基準不適合土壌が存在す
るおそれが多いと認められる部分がある場合にあっては、当該部分における任
意の地点)において、規則第59条第2項第5号イからチまでの土壌について
行う。採取された土壌について土壌溶出量及び土壌含有量を測定する(規則第
59条第2項第8号)。なお、第二種特定有害物質及び第三種特定有害物質の
量を測定する場合については、採取した表層の土壌及び5から50センチメー
トルまでの深さの土壌の重量が均等になるように混合するとともに、30メー
トル四方の格子状の区画内において2以上の掘削対象単位区画が試料採取等の
対象である場合には、採取した土壌の種類ごとに混合して1つの試料として
(5地点均等混合法)、土壌溶出量及び土壌含有量を測定することとする。
掘削前調査においては、土壌汚染状況調査において土壌を採取した深度と同
じ深度から土壌を採取することがあると見込まれるが、土壌汚染状況調査にお
いて土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合しない汚染状態にある土壌を採
取した深度と同じ深度から採取した土壌は、掘削前調査においても基準不適合
と評価されるため(規則第60条第2項第1号括弧書参照)、掘削前調査にお
いてあえて採取しなくとも差し支えないものとする。
エ.掘削後調査における区画の方法及び区画ごとに行う試料採取等(規則第59条第3項)
掘削対象単位区画において1メートルごとに掘削した土壌を100立方メー
トル以下ごとのロットに区分し、当該ロットついて、「土壌汚染が存在するお
それ」により、密度を変えて試料採取を行うこととする(規則第59条第3項
第4号)。この密度の考え方については、掘削前調査における掘削対象単位区
画ごとに行う試料採取等と基本的に同様であり、土壌汚染が存在するおそれが
比較的多いと認められる土地の土壌を含むロットにあっては100立方メート
ル単位、土壌汚染が存在するおそれが少ないと認められる土地(要措置区域等
の指定の係る特定有害物質の種類以外の特定有害物質の種類により分類された
土地を除く。)の土壌を含むロットにあっては900立方メートル単位で試料
採取等を行うこととする。なお、土壌汚染が存在するおそれが比較的多いと認
められる土地の土壌を含むロットのうち要措置区域等の指定の係る特定有害物
質の種類以外の特定有害物質の種類については、900立方メートル単位で試
料採取等を行うことに留意されたい。また、900立方メートル単位で第二種
特定有害物質又は第三種特定有害物質に係る試料採取等を行う場合にあっては、
掘削対象地の30メートル四方の格子状の区画内にあった9つの同じ深さのロ
ットのうち最大5つのロットにつき試料を採取することとする。
試料の採取については、試料採取等の対象とされたロットの中心部分(基準
不適合土壌が存在するおそれが多いと認められる部分がある場合にあっては、
当該部分)において、任意の5点から土壌を採取する。第一種特定有害物質に
ついては、当該5点から採取された土壌のうち、任意の1点から採取された土
壌について土壌溶出量を測定する。また、第二種特定有害物質及び第三種特定
有害物質の量を測定する場合については、当該5点から採取した土壌を重量混
合するとともに、30メートル四方の格子状の区画内にあった同じ深さの2以
上のロットが試料採取等の対象である場合には、各ロットごとに混合された土
壌を同じ重量混合して1つの試料として(5地点均等混合法)、土壌溶出量及
び土壌含有量を測定する(規則第59条第3項第6号から第8号まで)。
② 認定の申請及び認定
認定の申請の手続は、規則第60条第1項に定めた。
また、都道府県知事が申請を受けて行う認定の対象となる土壌は、調査の方法
に応じ、以下のとおりとした(同条第2項)。この認定を受けた土壌は、法の規
制を受けることなく、当該要措置区域等外へ搬出することが可能となる。
ア.掘削前調査
①ウにより採取され、又は混合された土壌のうち連続する2以上の深さにお
いて採取された土壌がすべての特定有害物質の種類について土壌溶出量基準及
び土壌含有量基準に適合していることが明らかになった場合における当該2以
上の土壌を採取した深さの位置の間の部分にある土壌(当該深さの位置の間の
部分において、土壌汚染状況調査の結果、少なくとも一の特定有害物質の種類
について土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合しないことが明らかとなっ
た土壌を採取した位置を含む場合における当該位置を含む連続する2の土壌を
採取した深さの位置の間の部分を除く。)(規則第60条第2項第1号)。
①ウにより採取され、又は混合された土壌のうち連続する2以上の深さにお
いて採取された土壌がすべての特定有害物質の種類について土壌溶出量基準及
び土壌含有量基準に適合していることが明らかになった場合における当該2以
上の土壌を採取した深さの位置の間の部分にある土壌(当該深さの位置の間の
部分において、土壌汚染状況調査の結果、少なくとも一の特定有害物質の種類
について土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合しないことが明らかとなっ
た土壌を採取した位置を含む場合における当該位置を含む連続する2の土壌を
採取した深さの位置の間の部分を除く。)(規則第60条第2項第1号)。
イ.掘削後調査
①エの測定により土壌溶出量基準及び土壌含有量基準に適合していることが
明らかになった土壌に係る100立方メートル以下ごとに区分されたロット(規則第60条第2項第2号)。
①エの測定により土壌溶出量基準及び土壌含有量基準に適合していることが
明らかになった土壌に係る100立方メートル以下ごとに区分されたロット(規則第60条第2項第2号)。