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汚染土壌の運搬に関する基準及び処理の委託義務

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汚染土壌の運搬に関する基準及び処理の委託義務

 汚染土壌を当該要措置区域等外へ搬出し、処理する行為は、汚染の拡散をもたら
す行為であることから、以下の事項に従わなければならないことした。
① 運搬に関する基準
 汚染土壌を運搬することにより、汚染土壌の所在を不明にするおそれがあると
ともに、運搬に伴い汚染を拡散させるおそれがあることから、環境リスクの管理
・低減の観点から運搬に関する基準を定め、当該運搬をする者に対し、その遵守
を義務付けることにより、汚染土壌の適正な運搬の確保を図ることとした(法第
17条)。「運搬する者」とは、法第16条の汚染土壌の搬出時の届出において
運搬する者として届け出られた者だけでなく、実際に汚染土壌の運搬行為を行う
者も含む。なお、運搬に関する基準については、「汚染土壌の運搬に関する基準
等について」(平成22年3月10日付け環水大土発第100310001号)により、
別途通知しているため、当該通知を参照されたい。
 
② 処理の委託義務
 汚染土壌の処理を業として行う者を都道府県知事が許可する制度を新たに設け
たことにより(法第22条第1項)、汚染土壌を要措置区域等外へ搬出する者は、
一定の例外を除き、当該汚染土壌の処理を汚染土壌処理業者に委託しなければな
らないこととした(法第18条第1項)。
 当該委託義務の例外としては、汚染土壌を要措置区域等外へ搬出する者が汚染
土壌処理業者であって当該汚染土壌を自ら処理する場合、非常災害のために必要
な応急措置として当該搬出を行う場合又は汚染土壌を試験研究の用に供するため
に当該搬出を行う場合を定めることとした(法第18条第1項ただし書)。なお、
非常災害のために必要な応急措置として当該搬出を行い搬出した後の汚染土壌の
運搬については、①の運搬に関する基準に従う必要があり(法第17条ただし書
参照)、汚染土壌処理業者に処理の委託をしなければならない(法第18条第2項)。
 

(6) 措置命令
 都道府県知事は、汚染土壌を運搬した者が、(5)①の運搬に関する基準に違反
した場合及び汚染土壌を要措置区域等外へ搬出した者が(5)②の汚染土壌処理業
者への処理の委託義務に違反している場合において、汚染土壌の特定有害物質に
よる汚染の拡散の防止のため必要があると認めるときは、これらの者に対し、相
当の期限を定めて、汚染土壌の適正な処理のための措置その他必要な措置を命ず
ることができることとした(法第19条第1号及び第2号)。都道府県知事は、
これらの者による違反行為を把握した場合には、速やかに命令を行い、汚染土壌
の特定有害物質による汚染の拡散の防止を図られたい。なお、当該命令について
は、(5)①の通知において別途留意すべき点を示しているため、当該通知を参照されたい。
 

(7) 管理票
① 交付手続等
 汚染土壌を要措置区域等外へ搬出する者は、汚染土壌の運搬又は処理を他人に
委託する場合には、環境省令で定める基準に従って、管理票を交付しなければな
らないこととし、当該汚染土壌が適正に運搬され、かつ、処理されていることを
事後的に確認することによって、汚染土壌の搬出に伴う汚染の拡散の未然防止を
図ることとした(法第20条)。
 「汚染土壌を当該要措置区域等外へ搬出する者」とは、搬出の際の事前届出を
行う「汚染土壌を当該要措置区域等外へ搬出する者」と同様である((2)①参
照)。交付する管理票は、法第16条第1項の搬出時の届出書に添付した管理票
の写しの原本とすること(規則第66条第1号)。また、運搬の用に供する自動
車等と管理票を一対一で対応させることを原則とし、例外として、一の自動車等
で運搬する汚染土壌の運搬先が複数である場合には、運搬先ごとに交付させるこ
ととした(同条第2号)。

 管理票交付者の管理票記載事項については法第20条第1項及び規則第67条
に、運搬受託者の管理票記載事項については規則第68条に、処理受託者の管理
票記載事項については規則第70条に掲げるとおりである。
 運搬受託者及び処理受託者は、運搬又は処理が終了したときは、交付又は回付
された管理票に必要事項を記載し、環境省令で定める期間内に当該管理票の交付
者等へ当該管理票の写しを送付しなければならないが(法第20条第3項及び第
4項)、当該期限については、運搬又は処理が終了した日から10日とすること
とした(規則第69条及び第71条)。
 管理票交付者は、交付された管理票の内容と送付された管理票の写しに記載さ
れた内容とを照合する必要があることから、当該管理票の写しの送付があるまで
の間、交付した管理票の写しの控えを保管しなければならないことした(規則第
66条第3号)。
 また、汚染土壌が適正に引き渡されているかを事後的な立入検査等で確認でき
るようにするため、管理票交付者、運搬受託者及び処理受託者は、それぞれ管理
票又は管理票の写しを保存する義務を設けることとし(法第20条第5項、第7
項及び第8項)、その保存期間については、管理票の写しを送付した日又は管理
票の写しの送付を受けた日から5年とすることとした(規則第72条、第75条
及び第76条)。
 管理票交付者は、運搬受託者又は処理受託者から環境省令で定める期間内に管
理票の写しの送付を受けないなどの場合には、委託した汚染土壌の運搬又は処理
の状況を確認し、都道府県知事にその結果を届け出なければならないこととし
(法第20条第6項及び規則第74条)、当該期間については、運搬受託者から
管理票交付者への送付期間については管理票の交付の日から40日、処理受託者
から管理票交付者への送付期間については管理票の交付の日から100日とする
こととした(規則第73条第1号及び第2号)。
 なお、都道府県知事は、当該管理票の写しについて、管理票交付者に対し、任
意の報告又は法第54条第3項に基づく報告を求め、汚染土壌が適正に運搬され、
かつ、処理されていることを確認することが望ましい。
 
② 2次管理票
 改正処理業省令による改正後の汚染土壌処理業に関する省令(以下「処理業省
令」という。)第5条第17号ロの規定により、汚染土壌処理業者が汚染土壌処
理施設において処理した後の汚染土壌を許可申請時の申請書に記載した再処理汚
染土壌処理施設に引き渡すためにその運搬を他人に委託するとき又は同令第13
条第1項第1号の規定により、汚染土壌の処理の事業を廃止し、又は法第25条
の規定により許可を取り消された汚染土壌処理業者が汚染土壌処理施設内に残存
する汚染土壌を処理の委託の目的で引き渡すためにその運搬を他人に委託すると
きは、同令第5条第18号に定める管理票(以下「2次管理票」という。)を使
用することとした。2次管理票の交付の手続については、課長通知を参照されたい。

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