韓国“底なし”原発不正、汚染水非難の裏で100人起訴
東京電力福島第1原発の汚染水漏れ問題で激しい日本非難を繰り返していた韓国で、原発を運営する「韓国水力原子力」(韓水原)を中心に政官を巻き込んだ不正に対する捜査が進んでいた。韓国政府が今月公表した原発関連書類の偽造は2000件超。偽造や金品授受で韓水原の元社長や大物官僚ら100人が起訴された。不正発覚で複数の原発が稼働停止し、電力供給が逼迫(ひっぱく)。韓国では津波という天災ではなく、私利私欲にまみれた「原発マフィア」と呼ばれる業界の腐敗構造が原発の“安全神話”を押し流した。(桜井紀雄)
「原発不正との戦争」…猛暑日にエアコン禁止令
これまでの韓国メディアの報道によると、韓国の原子力安全委員会のホームページに4月に寄せられた告発メールが発端だった。
「建設中の新古里(シンゴリ)原発3・4号機(蔚山市)の部品書類が偽造された」
安全委は調査を始め、3・4号機に加え、稼働中の新古里1・2号機(釜山市)や新月城(シンウォルソン)原発1・2号機(慶尚北道慶州市)の計6基で原発の制御ケーブルの性能成績証明書が偽造されていたことが明らかになった。
韓国政府は、新古里2号機や新月城1号機の運転停止を決めた。故障などで停止した原発もあり、韓国の原発23基中、10基が稼働停止するという異常事態となった。