水銀に係る環境調査の取扱いについて
- 公布日:昭和48年10月3日
- 環水管199・48水研672・48立354
各都道府県知事・各政令市市長あて環境事務次官・農林事務次官・通商産業事務次官通達
水銀に係る環境調査の結果の判定及び必要な対策について、水銀汚染調査検討委員会環境調査分科会において検討を行なつたところであるが、今般これに基づき関係省庁において別添のとおりと定めたので通達する。
なお、これの運用にあたつては、左記の点に十分留意され遺憾なきを期されたい。
水銀に係る環境調査の結果の判定及び必要な対策について、水銀汚染調査検討委員会環境調査分科会において検討を行なつたところであるが、今般これに基づき関係省庁において別添のとおりと定めたので通達する。
なお、これの運用にあたつては、左記の点に十分留意され遺憾なきを期されたい。
記
一 「調査単位水域」とは、魚介類については、調査対象水域を水銀等の排出源の配置、低質の水銀等の含有量の分布、地形、海流等、魚介類の棲息状況及び回遊状況等を勘案していくつかに区分した区域をいう。
「水質、底質における調査単位水域」とは、水質については各測定点をいい、底質については「底質調査方法(昭和四十八年八月三十一日付け環水管第百七十七号)」による「採泥地点」を結ぶ線により囲まれた区域をいう。
二 「同一魚種」とは、魚介類の分類上の「種」が同一である魚種をいい、「属」、「科」、「目」等が同一であつても「種」が異なる場合は「同一魚種」に当該しないものとする。
三 「暫定的規制値を超える場合」とは、同一魚種について原則として十検体、最低五検体の魚介類の総水銀含有量の平均値が0.4ppmを超え、かつ、メチル水銀含有量の平均値が0.3ppmを超えるものをいう。
四 「水質汚濁に係る環境基準」とは、環境庁告示第五十九号(昭和四十六年十二月二十九日)をもつて告示したものをいう。
なお、当該基準値等の改訂がなされた場合は、改訂後の基準値等により結果の判定及び必要な対策について見直しを行なうものとする。
五 「水銀を含む底質の暫定除去基準」とは、昭和四十八年八月三十一日付け環水管第百七十七号をもつて環境庁水質保全局長名で通達したものをいう。
六 「水質、底質等についての所要の調査及び環境改善対策」とは、水質又は底質が、四又は五の基準に適合しない場合における原因究明、排水規制の強化、五の基準を超える底質の除去等、除去した底質及び有害な産業廃棄物の適正な保管と処理処分並びにこれらの諸対策を講ずる前後において必要とする調査等をいう。
水銀に係る環境調査の取扱いについて
水銀に係る環境調査の結果の判定及び必要な対策は、次によるものとする。
一 当該調査対象水域について、調査単位水域ごとに調査結果を判定し、その結果を総合し、かつ、左記の三を参考にして、調査対象水域全体の判定を行なうものとする。
この際、必要に応じて、自主的な魚獲規制、又は環境改善対策を行なうものとする。
二 調査単位水域ごとの判定は、次によるものとする。
(一) 左記の一に該当する場合は、当該魚種について自主的な漁獲規制が必要であるものとする。なお、この場合において左記の二のいずれかに該当するときは、あわせて水質、底質等についての所要の調査及び環境改善対策が必要であるものとする。
(二) 左記の一に該当しない場合は、魚介類の漁獲、販売は差し支えないものとする。なお、この場合において、左記の二のいずれかに該当するときは、魚介類について定期的調査を行なうとともに水質、底質等についての所要の調査及び環境改善対策が必要であるものとする。
記
一 魚介類
当該調査単位水域において、同一魚種の全検体の平均値が暫定的規制値を超える場合(河川魚は除く。)
二 水質及び底質
(一) 水域の水質
当該調査単位水域において、水質の総水銀又はアルキル水銀に関する調査結果が、「水質汚濁に係る環境基準」に適合しない場合
(二) 底質
当該調査単位水域において、底質の総水銀に関する調査結果が、「水銀を含む底質の暫定除去基準」を超える場合
三 その他
(一) 一及び二以外の環境調査結果
(二) 排出源の状況
一 排水の水質
二 廃棄物の処理処分及び保管の現状
三 操業に伴なう水銀使用状況等