Quantcast
Channel: 持続可能な開発(水・土・廃棄物)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2268

食品中のヒ素に関する情報

$
0
0




更新日:2014年4月22日

食品中のヒ素に関する情報

  ヒ素は自然環境中に広く存在する元素です。地殻中に分布しており、火山活動や森林火災、鉱物の風化などの自然現象によって環境中に放出されるため、土壌や水中に天然由来のヒ素が含まれています。また、環境中に存在するヒ素には天然由来のほかに、火力発電、金属精錬、廃棄物の処理といった産業活動に伴って環境中に放出されたものもあります。このため、様々な飲料水や食品は、微量のヒ素を含んでいます。
  ヒ素のように意図せず食品に含まれる有害化学物質については、「生産から消費の段階で適切な措置を講じて合理的に可能な範囲で食品に含まれる量を減らすべき」というのが、国際的に合意された考え方です。
  このページでは、食品に含まれるヒ素について理解を深めていただくために、ヒ素がどのような物質なのか、また、食品を通じたヒ素の摂取の実態、食品に含まれるヒ素の低減に向けた取組などをご紹介します。

 食品中のヒ素に関する基礎情報

  土や水などの自然環境には様々な物質が存在しています。このような物質は、動植物が育つ過程で土や水などから取り込まれ、農畜水産物などの食品に含まれることがあります。ヒ素もそのような物質の1つであり、水や食品を通じてヒトの体の中に入ることで、ヒトの健康に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、合理的に達成可能な範囲で食品に含まれるヒ素の量を減らすことが大切であり、そのための取組が進められています。
 
  ここでは、ヒ素に関する以下の基本的な情報についてご紹介します。
 

食品からのヒ素の摂取量

  日本人がどの食品からどのくらいの量のヒ素を摂取しているかご紹介します。
 

食品に含まれるヒ素の実態調査

  農林水産省がこれまでに実施した食品中のヒ素に関する含有実態調査結果についてご紹介します。
 

農林水産省の取組

  食品中のヒ素に関する農林水産省の取組についてご紹介します。
 

海外の動向

  現在、国際機関や諸外国が設定している食品中のヒ素に関する基準値等と、食品に含まれるヒ素の低減に向けた国際機関での検討状況をご紹介します。
 

食品中のヒ素に関するQ&A


suiden(1)稲は水田の土や水から様々な物質を吸収しながら生長します。ヒ素をはじめとした微量成分は、土や水の中に広く存在しているため、ヒ素を全く含まないようにコメを作ることはできません。
 
(2)一方、稲を栽培するときは、その生育段階に応じて、水田に水を張ったり、張った水を落としたりします。この水の出し入れの仕方や、水田に肥料などの資材を投入することで、稲が水田の土や水から吸収する物質の量が変化する場合があります。この仕組みを利用し、稲が吸収するヒ素の量を減らせる可能性があります。
 
(3)特に稲の穂が出た後の時期に水田の水を落とすことにより、コメに含まれるヒ素の量が少なくなる傾向があります。
 
(4)一方、コメに含まれるカドミウムの量を減らすためには、稲の穂が出る前後の時期に水田に水を張ることが有効であることが明らかになっており、(3)のような水の管理を行うと、コメに含まれるカドミウムの量が増えたという研究報告があります。
  
(5) このため、ヒ素の量がより少ないコメの生産に取り組むためには、ヒ素の量を減らすだけではなく、カドミウムの量を増やさないことも同時に考える必要があります。農林水産省では、コメに含まれるヒ素とカドミウムの量をともに減らすことができ、かつ、生産者の方が比較的容易に取り組むことができる稲の栽培方法を確立するための調査や研究を進めています。
 


  1. 農林水産省はコメに含まれるヒ素に関してどのような調査・研究をしていますか。
(1)ヒ素は自然環境中に広く存在するもので、日本国内の土壌や水中にも含まれています。このため、様々な食品は微量のヒ素を含んでいます。このような意図せず食品に含まれる有害化学物質については、「生産から消費の段階で適切な措置を講じて合理的に可能な範囲で食品に含まれる量を減らすべき」というのが、国際的に合意された考え方です。
 
(2)農林水産省は、この考え方に基づき、日本人が食品を通じて摂取するヒ素において、農作物の中では比較的摂取量が多いとされるコメについて、以下のように、ヒ素の含有実態を明らかにするとともに、その量を減らすための対策を検討しています。
 
(ア)平成16年度以降、国産のコメに含まれるヒ素の実態を調査しており、今後さらに詳細な調査を続けていきます。 
調査結果については「食品に含まれるヒ素の実態調査」のページをご覧下さい。
 
(イ)また、コメに含まれるヒ素の量を減らすための栽培方法の研究や、コメの加工・調理・保管の過程を通じて、含まれるヒ素の量や化合物の種類がどのように変化するかを把握する研究を行っています。
詳しい研究内容については「コメに含まれるヒ素の低減に向けた取組」のページをご覧ください。


食品中のヒ素に関する情報> 食品に含まれるヒ素の実態調査


公表日:2014年2月21日
更新日:2014年4月22日
 

食品中に含まれるヒ素の実態調査

  • 農林水産省は、2004年度以降、食品中の総ヒ素及び無機ヒ素について含有実態調査を行っています。結果の概要は下表のとおりでした。
  • 食品安全委員会は、日本人が食品を通じて摂取するヒ素に関して、「日本において、食品を通じて摂取したヒ素による明らかな健康影響は認められておらず、ヒ素について食品からの摂取の現状に問題があるとは考えていない」、また、「特定の食品に偏らずバランスの良い食生活を心がけることが重要」としています。
 

コメ 

品目
調査年度
調査物質
分析点数
定量限界
(mg/kg)
定量限界未満の
試料の割合
最小値
(mg/kg)
最大値
(mg/kg)
平均値
(mg/kg)
中央値
(mg/kg)
玄米2004-2006総ヒ素6000.010%0.040.430.170.16
無機ヒ素6000.010%0.040.370.150.15
玄米2012総ヒ素6000.020%0.030.800.230.21
無機ヒ素6000.020%0.030.590.210.20
精米2012総ヒ素6000.020%0.020.440.140.13
無機ヒ素6000.020%0.020.260.120.12
  
 

小麦(調査年度2004-2006年度)  

品目調査物質分析点数定量限界
(mg/kg)
定量限界未満の
試料の割合
最小値
(mg/kg)
最大値
(mg/kg)
平均値
(mg/kg)
中央値
(mg/kg)
小麦総ヒ素3630.0186%<0.010.040.009-
 

大豆(調査年度2004-2006年度)  

品目調査物質分析点数定量限界
(mg/kg)
定量限界未満の
試料の割合
最小値
(mg/kg)
最大値
(mg/kg)
平均値
(mg/kg)
中央値
(mg/kg)
大豆総ヒ素3000.0193%<0.010.040.008-
 

野菜類(調査年度2004-2006年度)   

品目調査物質分析点数定量限界
(mg/kg)
定量限界未満の
試料の割合
最小値
(mg/kg)
最大値
(mg/kg)
平均値
(mg/kg)
中央値
(mg/kg)
ばれいしょ総ヒ素1000.01100%--0.004-
かんしょ総ヒ素1000.0194%<0.010.010.004-
さといも
(皮付き)
総ヒ素980.0160%<0.010.040.01-
だいこん総ヒ素1000.01100%--0.004-
にんじん総ヒ素1000.01100%--0.004-
はくさい総ヒ素1000.01100%--0.003-
キャベツ総ヒ素1000.01100%--0.003-
ブロッコリー総ヒ素1000.0199%<0.010.010.003-
レタス総ヒ素990.01100%--0.003-
ほうれんそう総ヒ素1600.0179%<0.010.120.01-
ねぎ総ヒ素1000.0199%<0.010.020.005-
たまねぎ総ヒ素1000.01100%--0.005-
きゅうり総ヒ素1010.0197%<0.010.020.006-
かぼちゃ総ヒ素1000.01100%--0.003-
なす総ヒ素1000.0197%<0.010.010.006-
トマト総ヒ素1000.01100%--0.004-
ピーマン総ヒ素1000.01100%--0.004-
さやいんげん総ヒ素1000.01100%--0.003-
しいたけ総ヒ素1000.0145%<0.010.140.020.01
 

果実類(調査年度2004-2006年度) 

品目調査物質分析点数定量限界
(mg/kg)
定量限界未満の
試料の割合
最小値
(mg/kg)
最大値
(mg/kg)
平均値
(mg/kg)
中央値
(mg/kg)
いちご総ヒ素1000.0199%<0.010.010.005-
みかん
(外果皮付き)
総ヒ素400.01100%--0.004-
みかん
(外果皮をむいたもの)
総ヒ素600.01100%--0.003-
なつみかん
(外果皮付き)
総ヒ素700.01100%--0.003-
なつみかん
(外果皮をむいたもの)
総ヒ素300.01100%--0.003-
なつみかんの外果皮総ヒ素300.01100%--0.003-
りんご総ヒ素990.0197%<0.010.030.004-
なし総ヒ素1000.0199%<0.010.020.004-
かき総ヒ素1000.0192%<0.010.030.005-
もも総ヒ素1000.0198%<0.010.010.004-
ぶどう総ヒ素1000.0199%<0.010.010.004-
キウイフルーツ
(果皮付き)
総ヒ素700.0199%<0.010.010.004-
 

海藻類(調査年度2006-2008年度)  

品目調査年度調査物質分析点数定量限界
(mg/kg)
定量限界未満の
試料の割合
最小値
(mg/kg)
最大値
(mg/kg)
平均値
(mg/kg)
中央値(mg/kg)
ひじき
(乾物)
2006-2008総ヒ素2990.050%281609392
無機ヒ素2990.50%4.51306768
ひじき
(水戻し物)
2006-2008総ヒ素710.050%2.1206.0 5.5
無機ヒ素710.54%<0.5173.63.2
こんぶ
(乾物)
2006-2008総ヒ素2000.050%251105351
2006-2007無機ヒ素1000.5100%--0.19-
わかめ
(乾物)
2006-2007総ヒ素1000.050%15523333
無機ヒ素1000.5100%--0.15-
のり
(乾物)
2006-2007総ヒ素1000.050%13512523
無機ヒ素1000.5100%--0.16-
  
○ 最小値
複数の試料の分析結果のうち、濃度が最も低かった値です。分析した試料の全てが定量限界未満であった場合は記載していません。
○ 最大値
複数の試料の分析結果のうち、濃度が最も高かった値です。分析した試料の全てが定量限界未満であった場合は記載していません。
○ 平均値
複数の試料の分析結果の算術平均です。定量限界未満の試料の割合により、以下のとおり平均値を算出しています。
  • 定量限界未満の試料の割合が60%以下の品目
定量限界未満だった試料の濃度を定量限界の1/2として算出
  • 定量限界未満の試料の割合が60%を超える品目
検出限界未満だった試料の濃度を検出限界とし、検出限界以上かつ定量限界未満だった試料の濃度を定量限界として算出
○ 中央値
複数のデータを、数値が小さいほうから順番に並べた時にちょうど中央にくる値です。中央値は、50%を超える試料が定量された場合についてのみ記載しており、データが偶数個の場合は、中央に近い2つの値を足して2で割った値を記載しています。


  1. ヒジキには比較的高い濃度でヒ素が含まれていますが、食べ続けても大丈夫ですか。健康に悪い影響はありませんか。
  2. ヒジキを調理して食べる際に、ヒ素の摂取を減らすため、家庭でできる工夫はありますか。
  3. 農林水産省は、ヒジキに含まれるヒ素のリスクを低減するため、どのような取組を進めていますか。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2268

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>