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[転載]フェロニッケルスラグJIS規格の最小区分である5-0.3mmの粒度範囲より微粉末のFNSは,多くの場合,使い道がなくストックされているのが現状である.

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日向製錬所


土質安定処理材としてのフェロニッケルスラグ微粉末の適用に関する研究

非鉄金属スラグの生産量
フェロニッケルスラグ
九州 750,000トン/年


 フェロニッケルスラグ(FNS)は土木用材料等に再生利用されているが,それらはJIS A 5011-2 の粒度範囲のものに限られており,JIS規格の最小区分である5-0.3mmの粒度範囲より微粉末のFNSは,一部でブラスト材として再生利用されるものの,多くの場合,使い道がなくストックされているのが現状である

 なお,FNS細骨材は,一般のコンクリートの品質を考慮して50%程度までの混合割合を標準とし,消波ブロック等の重量コンクリートへは単独もしくは高い混合割合で用いる場合もある.しかしながら,この場合にブリーディングの増大等の問題を生じやすく,コンクリートの配合や施設等の特別な注意が必要となる


2.3.1 産業副産物の環境安全性
 鉄鋼スラグ類の環境安全性は,一般に,2005 年にJIS化された「スラグ類の化学物質
試験方法(JIS K 0058-1,-2)(環境JIS法)に準じ,溶出試験値と含有量試験値はいずれ
の項目も土壌環境基準や土壌汚染対策法で定める基準値以下でなければならない.
 一方,2012 年に経済産業省から「コンクリート用骨材又は道路用等のスラグ類に化
学物質評価方法を導入する指針に関する検討会総合報告書」が発刊されている.
 この報告書では,真の循環型社会を実現するには,鉄鋼スラグ,非鉄金属スラグ,廃棄
物溶融スラグ(一般廃棄物融解固化物・下水汚泥融解固化物)などの,産業副産物や
廃棄物を由来とする建設系循環資材の利用の推進が必要不可欠であるとしている.
 そのためには循環資材に対する信頼を将来にわたってより安定なものにしなければなら
ない.特に循環資材は環境安全性においても配慮すべき化学物質を含む場合があるた
め,資材としての安定した品質管理とともに,環境安全性に配慮する品質の管理を確
実に行う必要があるとしている.

 そこで,産業副産物の1 つで本研究のテーマ(1.2 研究の目的参照)であるFNSを含
めた代表的な非鉄金属スラグの環境安全性については,これまでにいくつかの研究が
行われてきた.・・・・・・

表-2.3.1 FNS 溶出量試験結果  (mg/L)
製造所区分 A社 B社 C社 D社 E社基準値基準値
骨材種類 FNS5-0.3 FNS 1.2 FNS5-0. 3 CS20 CS40 (一般用途) (港湾用途)


アララ 微粉末の適用に関する研究 なのに 微粉末の溶出量試験が見当たりませんコトよ!


2.3.2 再生利用時の品質
 産業副産物のリサイクル材料の再生利用時の品質は,再生利用の用途に応じた基準
を満足する必要がある.再生利用の用途は前述(表-2.1.1)したとおり多岐にわたって
いる.利用技術の現況は,用途別に,すでにJISや利用手引書類で品質基準等が設けら
れている材料もあるが,基準等の整備が必要な材料が多く存在している.

 その中でも,非鉄金属スラグの品質基準は,対象となる用途(コンクリート用材,
路盤・盛土材,アスファルト舗装材,地盤改良材,中詰材など)に応じてそれぞれ項
目が規定されている.規定項目の例としては,コンクリート用材の場合は骨材密度や
アルカリシリカ反応,路盤・盛土材やアスファルト舗装材の場合は絶乾比重,吸水率
およびすりへり減量,地盤改良材や中詰材の場合はせん断抵抗性などがある.ただし,
いずれの用途においても,粒度がおおよそ0.3mm以上のものについてであり,それよ
り小さい細粒分(微粉末)についてはほとんど対象とされていない.

 特に,地盤改良材としてサンドコンパクションパイルのドレーン材として用いられ
る場合は,透水性が大きいことが求められるため,微粉末の部分が取り除かれている.
この他,非鉄金属スラグの地盤改良材として構造物基礎地盤の支持力不足を補うた
めの置換材としての利用などがあるが,土と混合することにより土質を安定処理する
化学的な地盤改良材としての適用は現段階では行われておらず,これからの再生利用
の分野であり,特に,微粉末の可否の検証が必要である.

 非鉄金属スラグのコンクリート用材の施工実績例として図-2.3.1 に,フェロニッケ
ルスラグの地盤改良材の施工実績例として図-2.3.2 に,銅スラグの地盤改良材の施工
実績例を図-2.3.3 に示す.
 また,非鉄金属スラグは工場製品であるため,同じ工場内で製造された非鉄金属ス
ラグについては性質の違いに大きな差はないが,工場が異なる場合は,基本的な性質
が大きく異なってくることがある.これは,工場が異なれば,図-2.3.4 に示すフェ
ロニッケルスラグの例のように粒度にばらつきが生じることが大きな要因と考えられる.
 これに対し,JIS規格外の微粉末は,工場が異なる場合であっても粒径にほと
んど違いがないため基本的な性質が大きく異なるとは考えにくく,一定の品質が確保
できる材料であるといえる.????想像ですね

図-2.3.1 非鉄金属スラグの施工実績例
(右)種類:フェロニッケルスラグ,目的:中詰材,施工場所:宮崎県細島港



2.5.2 黒ぼくの特性および課題
 黒ぼくは,軟弱な路床土として火山灰質粘性土で日本の国土の地表面積の約16%
(図-2.5.2)を占める.黒ぼくは,洪積世から沖積世にかけて噴出された降下火山灰
が,特殊な条件の風化過程を経て次のように出来たものである.母岩としての降下火
山灰は,微粒子であり,これらの堆積層は透水性が大きい.降下火山灰の堆積層は,
湿潤温暖なモンスーン地帯で,著しく風化を受け,その際に火山灰中の火山ガラスや
斜長石から,珪酸やアルミ成分が溶脱され,これらから,モノ珪酸(Si(OH)4)およ
び水酸化アルミニウム(Al(OH)2)が生成され,さらに,これらが風化液中で等電沈
殿をして,アロフェンが生成される.生成されたアロフェンは,十分な時間の経過に
よって結晶化が進み,カオリン鉱物へ移行する.一方,地表では,草木類(すすき,
しば,ちがや等)が繁茂し,有機物を供給すると同時に,火山灰中より,植物蛋白石
の形で珪酸を固定し,供給された有機物は,時間の経過とともに腐植化し,アロフェ
ンやR2O2,特にAl2O3 と結びついて集積する.黒ぼくは,この腐植が集積して黒くな
った部分である.

 黒ぼくが堆積した地盤は軟弱であり,地山におけるセメンテーション(粒子間の空
隙をSiO2 などで充填することによる結合)がさほど強くないため地山強度も低く,ま
た黒ぼくを盛土材料として用いる場合には,トラフィカビリティと転圧効果の確保が
難しく,安定した盛土築造が困難である.そのため,黒ぼくを盛土材料や路床材料に
採用する際は,安定処理などを講じるなどの対策が必要と言われている.

 神谷らは,黒ぼくにセメントおよび生石灰を安定処理材として添加した場合の
一軸圧縮強さやCBR値による強度比較を行っている.その結果,黒ぼくにいずれの安
定処理材を添加しても改良効果は発現しているが,強度は水浸することで経時ともに
減少傾向にあることが確認されている.また,当時の下部路床に必要なCBR値
(CBR=5%)を満足するには,添加率10%以上の高率が必要とされている.
久保田らは,黒ぼくにセメント,生石灰および消石灰を安定処理材として添加
した場合の一軸圧縮強さによる長期強度の比較を行っている.その結果,石灰系の安
定処理材を黒ぼくに添加することで,その物性を変え土質の改善に十分効果を発揮す
るとともに,長期養生に及ぼす効果は,セメント>消石灰>生石灰と結論づけている.
しかし,いずれの報告も,黒ぼくに石灰系安定処理材を添加した処理土の一軸圧縮
強さ(qu)は0.9~3kg/cm2程度であり,CBR値は4%程度であることから,石灰系安
定処理材を添加した黒ぼくが路床構築材(一般的にCBR=6%以上)や路盤材(下層路
盤材7kg/cm2以上)として適用するに至っていない.

2.6 まとめ
 現在,建設副産物および産業副産物等のリサイクル材料の開発用途は,コンクリー
ト用材,路床盛土材,アスファルト舗装材,中詰材など多岐にわたっている.港湾区
域に拠点を構える製鉄工場や発電所から産出される多量のスラグや石炭灰などの産業
副産物は,立地条件の良さから港湾工事のコンクリート用材として,簡単な加工を施
して信頼性の高い材料に変え,再生利用されている.このように産業副産物をコンク
リート用骨材として再生利用する技術は既にJIS化され,産業副産物のJIS化は,この
ほかにも道路の路盤ならびに加熱アスファルト混合物用の材料にも及んでいる.特に
非鉄金属スラグ(FNSや銅スラグ)は,非鉄金属スラグ細骨材を用いたコンクリート
の施工指針として発刊もされている.
また,非鉄金属スラグのリサイクル材料はJIS規格の粒度範囲のものに限られており,
その最小区分より微粉末の材料のほとんどは,一部で再生利用されるものの,多くの
場合,使い道がなくストックされている.

具体的な技術的課題は,ストックされている非鉄金属スラグ,特にニッケル鉱石485
万トン(年間)の製錬に際しフェロニッケル38 万トンの生成に対し,6.5 倍の255 万
トンが生成されるFNSの微粉末の再生利用などへの対応策である.
ここでFNSは,
境安全品質の基準が存在していないため
,代替的に溶融スラグ骨材を対象にしたJIS A
5031 やJIS A 5032 のコンクリート用および道路用(アスファルト骨材と路盤材)の基
準が用いられている.
 その結果,単体においては,基準値を満足しない場合もあることが確認されており
他材料と混合利用などする対応が必要となるケースがある.
 なお,FNSは水硬性などの特徴がないことから,他材料と混合利用する際はセメンテー
ション効果を有する材料が必要となる.FNSの微粉末の再生利用については,単に再
生利用が可能な材料で良いというだけでなく,性質の異なる材料であっても利用性を
高める必要があるため,材料自体でなく他材料と混合後,用途に応じた基準を満足し,
環境安全品質や経済性についても考慮することが必要不可欠となる.



6.2 今後の課題と展望
 本論文では,非鉄金属スラグの微粉末その中でも特にフェロニッケルスラグの微粉
末の地盤改良材への再生利用に関する新しい知見を得ることができた.しかし,一方
で残された課題もあり,今後これまで以上に非鉄金属スラグの再生利用を促進させて
いくには,更なる研究や実証実験が必要となる.今後の課題を以下に示す.

1) FNS石灰あるいはFe石灰を高含水比の浚渫土砂などにも混合し,これらの改良
  材の適用可能な土質範囲を見つける必要がある.

2) FNS石灰処理土(まさ土・黒ぼく)やFe石灰処理土(まさ土・黒ぼく)に対し
  てX線回析や示差分析を行い,FNS石灰やFe石灰の添加による化学変化についてよ
  りミクロ的な視点から解析を行う必要がある.

3) 本研究で行った室内試験だけに留まらず試験ヤードや試験舗装などでの効果発
  現についても検証する必要があると考えている.

 今後の更なる3R 社会に向け,非鉄金属スラグ微粉末が地盤改良材としての再生利
用だけでなく,他の分野への再生利用技術の開発や取り組みに活用され,広く普及し
ていくことを期待する.

土質安定処理材としてのフェロニッケルスラグ微粉末の適用に関する研究

庄嶋,芳卓
日付:2014-03-25

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質問
 フェロニッケルスラグ微粉末と言っても様々な粒度分布があり、その有害物質の溶出特性が不明
 
 フェロニッケルスラグ微粉末を石灰と混ぜた時の有害物質の溶出特性が不明

 フェロニッケルスラグ微粉末混入による含水比低下の寄与度が不明
 

HPに掲載されてるグリーンサンドなら汚染物質が染出るとは思えない。ニッケルショットの残り滓なら有り得るな。これを捨てているんじゃないか?

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住友金属鉱山 日向製錬所


転載元: 不法投棄不法占拠対策のブログ


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