九州の川・海岸の紹介
菊池川は、その源を阿蘇外輪山「菊池渓谷」一帯の奥地に発し、菊池市を流れ迫間<はざま>川、合志<こうし>川等の支川を合わせつつ菊鹿盆地を貫流して、山鹿市の下流より山間部に入り更に岩野川等の支川から玉名平野に出て、玉名市において支川である木葉川<このはがわ>、繁根木川<はねぎがわ>を合わせて有明海にそそいでいる、熊本最北端の一級河川です。
幹川流路延長 流域面積 流域内人口
71km |
996km2 |
約210,000人 |
- 菊池川
主な洪水の記録
菊池川流域は九州の気候区分から内陸型気候区に入り、北は筑紫山地、西は多良・雲仙の火山群、東は阿蘇火山、南は九州山脈と四周を山地で囲まれており、年間の降雨量は1,300㎜~2,700㎜程度で6・7月の梅雨期には年間降雨量の1/3~1/2が降っており、菊池川の洪水は前線性によるものが70%で、大洪水は全て前線性に起因しています。過去の洪水記録を見ると、古くは天安2年(西暦858年)の記録が残っており、近年では昭和28年、昭和57年、平成2年と大洪水があり、特に平成2年は史上まれにみる洪水となりました。
なお、下表は昭和年間以降の主な洪水で、梅雨による洪水被害が頻発しています。
なお、下表は昭和年間以降の主な洪水で、梅雨による洪水被害が頻発しています。
発生年月日 | 原因 | 玉名地点 流量(m3/s) | 被害状況 |
昭和10(1935)年 6月28日~30日 | 梅雨 | 不明 | 死者4名、床上浸水520戸、床下浸水3,077戸、船舶難破2、山崩数百ヶ所、橋梁流失20、堤防決壊43、道路決壊50、農作物被害面積25,794町歩 |
昭和28(1953)年 6月24日~28日 | 梅雨 | (2,960) | 死者7名、負傷者328名、家屋全半壊500戸、流失72戸、床上/床下浸水15,335戸、田畑被害970ha |
昭和37(1962)年 6月30日~7月8日 | 梅雨 | 1,868 | 死者8名、行方不明者1名、負傷者6名、家屋全半壊115戸、流失2戸、床上/床下浸水6,389戸、田畑冠水4,887ha |
昭和44(1969)年 6月28日~7月5日 | 梅雨 | 1,646 | 人的被害2名、床上/床下浸水1,208戸、田畑冠水4,910ha、被災者概数4,710人 |
昭和54(1979)年 6月22日~30日 | 梅雨 | 2,305 | 死者5名、床上/床下浸水738戸、田畑被害2,300ha |
昭和55(1980)年 7月1日~2日 | 梅雨 | 2,292 | 家屋全半壊12戸、床上/床下浸水847戸、田畑被害4,278ha、被害箇所34箇所、道路被害352箇所、総氾濫面積15.2km2 |
昭和55(1980)年 8月27日~31日 | 台風 | 2,482 | 死者1名、行方不明者10名、負傷者1名、家屋全半壊47戸、床上/床下浸水3,900戸、田畑冠水4,942.9ha |
昭和57(1982)年 7月23日~25日 | 梅雨 | 2,985 | 死者6名、行方不明者1名、負傷者12名、床上/床下浸水3,721戸、道路被害1,365箇所、田畑冠水4,575ha、橋梁流出14基、総氾濫面積27.97km2 |
平成元(1989)年 9月1日~3日 | 寒冷前線 | 2,302 | 死者3名、家屋全半壊12戸、床上/床下浸水537戸、田畑冠水794.1ha |
平成2(1990)年 6月29日~7月3日 | 梅雨 | 4,275 | 降り始めからの総雨量は、木護で756.5㎜、穴川で735.0㎜に達し、それまでの降雨で地盤は保水力の限界に達しており、流域内に降った雨が一気に洪水となって菊池川に流出した。 洪水は菊池川の山鹿水位観測所で、7月2日12時40分に当事務所観測史上最高の7.85mに達し、計画高水位(H.W.L)6.76mを1.09mもオーバーし、右岸の堤防の天端まであと16㎝にせまり越水寸前であった。 |
平成5(1993)年 6月18日~19日 | 梅雨 | 2,784 | 負傷者1名、家屋全半壊2戸、床上/床下浸水164戸、田畑冠水571.1ha、河岸洗掘崩壊23箇所、総浸水面積約420ha |
平成9(1997)年 7月6日~13日 | 梅雨 | 2,395 | 床上/床下浸水27戸、水田冠水430ha、河岸洗掘崩壊8箇所、総浸水面積約430ha |
平成11(1999)年 9月10日~11日 | 低気圧 | 1,921 | 床上浸水25戸、床下浸水83戸、田畑冠水77ha、一般被害額246百万円 |
平成18(2006)年 6月22日~27日 | 梅雨 | 1,758 | 床上浸水3戸、床下浸水2戸、水田冠水39.6ha、河岸洗掘5箇所 |
平成18(2006)年 7月23日~24日 | 梅雨 | 2,666 | 床下浸水2戸、水田冠水74.32ha、河岸洗掘8箇所 |
平成21(2009)年 6月29日~7月1日 | 梅雨 | 2,349 | 堤防浸食1箇所、内水42.2ha |
平成24(2012)年 7月11日~7月14日 | 梅雨 | 床上/床下浸水196戸、氾濫面積740ha、総雨量は大鶴観測所で800㎜を超え、河川水位は菊池川の広瀬、分田、菰田観測所、合志川の佐野観測所、木葉川の津留観測所で観測史上最高の水位を記録した。 特に合志川では舟島橋から高江橋の約5㎞にわたって溢れ出した。 |
平成2年7月の洪水写真
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