ポリネシア人
ポリネシア人の男性 |
ポリネシア |
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ポリネシア人(Polynesian)は、太平洋のポリネシアに住む人々の総称。オーストロネシア語族に属しており、メラネシア人やミクロネシア人と密接な親縁関係を持つ。身体的特徴、文化的特徴、言語的特徴に関してメラネシア人のような多様な地域差は無く、同質的である。
言語
ポリネシア人の話すハワイ語、タヒチ語、ラパヌイ語、マオリ語、サモア語、トンガ語などはたがいによく似ており、オーストロネシア語族の中の枝先にあたる一分派を構成している。地理的にやや離れた域外ポリネシアの諸言語(ヌクオロ語、レンネル語など)もここに含まれる。
言語の伝播変遷や相互関係についてはよくわかっていないが、台湾やマレーシアを起点として海上交易などの交流を経る過程で南東に拡散していったと考えられている。音韻組織の平易さに特徴を有し、一般に動詞、名詞、形容詞に形態上の差異が無く、音節は全て開音節である。
ルーツと移民の流れ
トール・ヘイエルダールが唱えた南米からの植民説、ベン・フィニーらが唱えたアジアからの植民説があるが、1975年にハワイで建造された双胴の航海カヌー、ホクレアによる数々の実験航海や、言語学的・人類学的な各種の検証により、現在では東南アジア説が定説となっている。
アボリジニーの祖先となったオーストラロイド系の民族は中国大陸から約5万年前にスンダランドに移住。一部は後に現在のオーストラリアへ渡る(その逆で、彼等がアフリカ、南アジアからスンダランド経由で北東アジアに移住していったという見解もある。)のだが、ポリネシア人の祖先とされるラピタ人の移住はもう少し後の時代である。
ラピタ人はオーストロネシア語を話すモンゴロイド系の民族で、元々は台湾にいたのだが、その一部は紀元前2500年頃に南下を開始した。この時に別のグループは黒潮や対馬海流に乗って日本列島にも渡っており、縄文人の骨格との類似性から、縄文人と現在のポリネシア人を形成した人種は共通するとされている。ちなみに日本語は文法がアルタイ諸語のものであるが、音韻体系はポリネシア語の属するオーストロネシア語族と共通している部分がある。
一方、南下したグループはフィリピンを経て紀元前2000年頃にインドネシアのスラウェシ島に到達した。ラピタ人はここで進路を東に変え、紀元前1100年頃にはフィジー諸島に 到達する。現在、ポリネシアと呼ばれる地域への移住は紀元前950年頃からで、サモアやトンガからもラピタ人の土器が出土している。サモアに到達した時点 でラピタ人の東への移住の動きは一旦止まるのだが、その間に現在のポリネシアの文化が成立していったと考えられている。