福島で国内最大の地熱発電所開発へ 出光興産など9社
2012年4月3日10時0分
国内最大の地熱発電開発予定地
出光興産など9社は、福島県の磐梯朝日国立公園内に国内最大の地熱発電所をつくることを決めた。発電量は最大で原発1基の約4分の1にあたる27万キロワット規模をめざす。今年度から開発し、2020年代初めに運転を始める。
地熱発電所は国内では1999年に東京・八丈島にできたのを最後につくられていない。政府が原発を推進し、地熱支援に力を入れてこなかったためだ。しかし、東京電力福島第一原発の事故を受け、政府は自然エネルギーの地熱発電を増やす方針に転じており、福島県を皮切りに開発の動きが広がるとみられる。
開発の予定地は福島市、郡山市、猪苗代町など6市町村にまたがる。活火山の東吾妻山、安達太良山、磐梯山があり、周辺には温泉地もたくさんある。このため、国内最大の約27万キロワットの地熱資源があると推定されている。
出光のほか、三菱商事や住友商事、石油資源開発、三井石油開発などが事業に参加する。投資額は未定だが、数百億円になるとみられる。経済産業省は今年度予算案で地熱発電の調査・開発向けに約90億円の補助を盛り込んでおり、9社の開発も支援する見通しだ。
朝日新聞