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Channel: 持続可能な開発(水・土・廃棄物)
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イタイイタイ病資料館は「イタイイタイ病の恐ろしさ」を知り、「克服の歴史」を学ぶとともに一人ひとりが「環境と健康を大切にするライフスタイルの確立や地域づくり」に取り組むことをめざします

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イタイイタイ病資料館

 日本の四大公害病の一つと言われるイタイイタイ病は、大正時代頃から富山県の神通川流域で発生し、患者やその家族、 地元住民等に深刻な影響を及ぼしてきましたが、被害者団体、原因企業、行政など関係者のたゆまぬ努力によって、今日まで多くの困難を克服してきました。 
 一方、長い年月の経過とともに、関係資料の散逸や関係者の高齢化に伴う風化が懸念されるようになったため、 平成21年6月に、有識者や関係団体の代表からなる「イタイイタイ病関係資料継承検討会」を設置し、関係資料の継承のあり方などについて議論を重ねていただきました。 
 そして、検討会の報告等をふまえ、平成24年4月に、この「富山県立イタイイタイ病資料館」を開館したところです。
 この資料館は、子どもたちをはじめ国内外の幅広い年代の人々が「イタイイタイ病の恐ろしさ」を知り、「克服の歴史」を学ぶとともに、 県民一人ひとりが「環境と健康を大切にするライフスタイルの確立や地域づくり」に取り組むことをめざす未来指向型の資料館です。
 
 
 
 
 
神通川と神岡鉱山
 神岡鉱山は、 神通川上流の 富山県と 岐阜県の 県境近く、 北アルプスに 源を発する 高原川 (富山県に入り神通川となる)の右岸に位置し、主に 亜鉛や 鉛などを産出する鉱山です。
その歴史は古く、 奈良時代から 採掘がはじまったという記録があります。 1874(明治7)年 以降は 三井組 (後の 三井金属鉱業)の 経営となり、 日本の近代化を 支える亜鉛・鉛 資源の一大 供給地となっていきました。
神岡鉱山の位置
 
 
 
神岡鉱山の生産拡大
 明治時代 以降、 鉱物から 亜鉛を取り出す技術が進歩し、 戦争( 日露戦争、太平洋戦争など)をきっかけとした 軍需に応えるため、鉱石が大量に掘 り出され、亜鉛生産が 拡大していきました。
亜鉛生産とカドミウム
 カドミウムは自然界に広く 存在する 重金属で、 亜鉛鉱石 などに 比較的高い 濃度で 含まれています。
亜鉛の生産 過程で発生する鉱山の 坑内水、 製錬所や 廃石などのたい積場から出る 排水に、カドミウムが含まれていました。
亜鉛生産とカドミウム
 
 患者に見られる医学的な特徴 ]
 厚生省の見解では、イタイイタイ病は、カドミウムの 慢性中毒によって、 まず 腎臓に 障害が発生し、次に 骨軟化症を引き起こすというものです。
 これに、 妊娠や 授乳 、内 分泌の変調、老化、栄養としてのカルシウム等の不足などが 原因となって病気を進行させると考えられています。
 その仕組みについては、まだ 解明されていない部分がありますが、腎障害と骨障害、 なかでも骨粗しょう症を 伴う骨軟化症はイタイイタイ病の大きな 特徴といえます。
腎障害の症状と特徴 ―尿細管の機能とその異常−
 腎臓は身体に必要なくなった 老廃物 [ ろうはいぶつ ] を 尿 [ にょう ] にする器官です。
 腎臓の 糸球体という部分で 血液がろ 過され、尿のもと( 原尿)ができます。 原尿は 尿細管という管を通り、身体に必要な 物質が 再び 吸収されます。  
 この尿細管が 障害を受けると、体内にとどめておくべき無機リン等の必要な物質までも 排泄されてしまい、 骨に異常が起こることがあります。イタイイタイ病にはこの尿細管障害が見られます。
 また、腎臓でのビタミンDの 活性 [ かっせい ] 化障害による腸管からのカルシウムの吸収障害をきたします。
骨障害の症状と特徴 ―骨粗しょう症と骨軟化症−
骨粗しょう 症は、 骨の量が 減って、骨 密度が低くスカスカの 状態 になりますが、骨の成分は正常です。
 一方、骨 軟化症は、骨を 硬 [ かた ] くする仕組みに 異常が発生して、正常な骨がつくられなくなる病気です。 イタイイタイ病では、骨粗しょう症を 伴う骨軟化症が見られます。
 
 
土壌復元工事
 
 対策地域になった農地では、 土壌の汚染を取り除く復元工事を実施しました。 その方法には、「 埋込客土工法」と「上乗せ客土工法」の2つの工法が 採用され、土地の 条件によって使いわけました。 また、土壌復元工事とあわせて、ほ場 整備も行われました。
美田を取り戻した汚染農地対策
対策地域は1,686.2haにも 及ぶ広大なものでしたが、上流部から順に 土壌復元工事を 実施し、 2012(平成24)年3月までに対策地域の工事を 終了しました。
米づくりが 再開された地域の 玄米のカドミウム 濃度は、 いずれも 基準値を大きく下回り、かつての実り 豊かで安全な農地を取り 戻しました。
 
 
 
 
利用案内リーフレットダウンロード
【開館時間】【入館料 】【休館日】
9:00〜17:00*展示室への入室は16:30まで
無料
月曜日(休日の場合は翌日)、元日(休館日案内)

【交通案内】

<車をご利用の場合>

富山ICから、国道41号線・岐阜方面へ。空港口交差点を右折、「富山迎賓館」を左折して約400mです(富山ICから約5分)。

<駐車場のご案内>

①無料400台
②バス等大型車の駐車は、第2駐車場奥のバス駐車スペースをご利用ください。
③車椅子利用専用駐車場は、9台分あります。身障者手帳など車いすご利用と分かるものをダッシュボードに提示願います。

<電車をご利用の場合>

最寄り駅は「JR富山駅(南口)」です。富山駅からは、タクシーまたはバスをご利用ください(タクシー利用の場合は約20分、バス利用の場合は約30分かかります)。

<バスをご利用の場合>

①健康パーク前 停車
JR富山駅前(南口)6番のりば~「富山空港/八尾鏡町/総合運動公園」方面(乗車時間約30分 )
②健康パーク最寄りのバス停「中坪口」(乗車時間約30分+徒歩約10分)
③健康パーク最寄りのバス停「下熊野」(乗車時間約25分+徒歩約15分)

【館内案内】フロアマップ

フロアマップ

 

http://itaiitai-dis.jp/?tid=100049

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