前回の本山義彦氏の「貧しさが戦争に駆り立てる」では、戦前の日本社会は、困窮する小作人層など多くの貧しい勤労大衆がいて、そして他方に「とんでもない金持ち」がいる貧富の格差が歴然と存在する「貧しい国」であった。極貧の生活にあえぐ小作人の次男三男は、軍隊に入るしかなかった。国家のために軍隊に入ったのではなく、飯が食えるから軍隊に入った。これが「中国を占領すれば貧しさから脱却できると、権力側に利用され、侵略戦争に駆り立てられ」たと、これと同じ構造が、今の軍事大国アメリカであると語られている。今回紹介する「戦争は金もうけ」はこのつづきです。<a>
象徴的な話をします。 私は9・11テロを陰謀ではないかと疑っています。なぜ、ペンタゴンに突入したボーイング機の残骸が、いまだに発見されていないのか。飛行機の残骸が見つかってないのに、なぜ乗っていた「テロリスト」のパスポートだけが、紙でてきているのに燃えもせずに出てくるのか。世界貿易センタービルが一瞬で解体したのは熱で溶けたからだというのに、なぜペンタゴンの建物は溶けなかったのか。陰謀だという確証はありませんが、疑うべき状況がたくさんあります。 また、9・11テロの直前に、父ブッシュがカーライル社のアジア担当責任者として、ビンラディン一族を集めて投資をすすめていました。「カーライル社に先行投資すればもうかる」とでも言っていたのでしょう。ビンラディン一族は中近東の石油利権とゼネコンを握る大富豪で、アメリカ南部に住んでいました。カーライル社は、軍事産業に投資する金融会社です。軍事産業を統括する企業としてアメリカでは最大級で、ブッシュの他にカールーチやワインバーガーなどの元国防長官が役員に名をつらねています。そしてテロが起こり、子ブッシュが犯人はオサマ・ビンラディンだと発表しました。当然、ビンラディン一族を拘束して取り調べるのが常識です。それなのに、チェイニー副大統領の命令で、ビンラディン一族をただちにリヤドへ逃がしました。これは一体どういうことなのか。 もう一つ。関西にはすでに二つの空港があるのに、神戸空港ができました。採算がとれるはずもないのになぜできたのか。神戸空港のある神戸市は神戸医療産業都市で、世界最先端の再生医療が行われ、衛星中継で米スタンフォード大学とつながっている。この神戸医療産業都市をつくったのはアメリカのベクテル社です。ベクテル社は原子力発電、石油関係、防衛・宇宙、建設、医療産業などあらゆる分野を手がけている巨大企業で、CIA長官や国務長官を輩出し、ブッシュ大統領の一大スポンサーです。湾岸戦争後のクゥエート復興やコソボ紛争後の復興事業、イラク戦争で燃えた油田の消火を請け負った会社で、アラブでは「死の商人」と呼ばれています。将来、台湾海峡で問題が起こった場合、負傷した米兵を飛行機で運びこみ、治療することを想定しているのではないのか。神戸再生医療都市に、ベクテル社による軍事と医療の結びつきを感じてなりません。 戦争は金もうけです。背後で莫大な金が動いています。アメリカのGDPは日本の三倍ですが、軍事費は日本の十二倍です。それほど莫大な金がペンタゴンに集まる。その金にありつこうと、ペンタゴンを中心に利益共同体ができあがっているわけです。一握りのエリートや企業の金もうけのために、圧倒的多数の人々が犠牲になっていいのでしょうか。 (続く)
第7回長崎・沖縄連帯集会講演要旨 「ノーと言えない日本から、自立する日本へ」 福井県立大学教授 本山 義彦、 月刊「日本の進路」168号(2006年8月号)より
本山義彦氏ブログ「消された伝統の復権」http://blog.goo.ne.jp/motoyama_2006
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