効果を生むISO ~マネジメントレビュー~
マネジメントレビューとは、マネジメントシステムを運用した結果、組織の目的・実情にピッタリと合い、計画(意図)したとおりの結果が得られるように機能しているか(品質方針・目標が達成できるように機能しているか)を確認し、必要に応じて改善していく活動です。
マネジメントレビューとは、マネジメントシステムを運用した結果、組織の目的・実情にピッタリと合い、計画(意図)したとおりの結果が得られるように機能しているか(品質方針・目標が達成できるように機能しているか)を確認し、必要に応じて改善していく活動です。
ISOにおいて継続的改善を実施していくための最重要項目です。
マネジメントレビューに対するインプット項目としては
マネジメントレビューに対するインプット項目としては
a) | 内部監査・外部審査結果 |
b) | 顧客からのフィードバック(苦情やアンケート情報など) |
c) | プロセスの実施状況・製品の適合性(不適合発生状況・品質目標達成度など) |
d) | 予防処置・是正処置の実施状況 |
e) | 前回までのマネジメントレビューの結果に対するフォローアップ |
f) | QMSに影響を及ぼす可能性のある変更(組織変更・市場動向・規格改訂動向など) |
g) | 改善のための提案 |
これらの情報をもとに、レビューを実施した結果のアウトプットとして
a) | QMS・プロセスの有効性の改善 |
b) | 顧客要求事項への適合に必要な製品の改善 |
c) | 資源の必要性 |
についての決定と処置をする。
マネジメントレビューを効果的に実施するためには、必要なデータ(情報)をインプットすることが重要です。前回までにお話してきたデータ分析の結果や内部監査の結果などを問題点が見えるように情報として提供することです。
マネジメントレビューを効果的に実施するためには、必要なデータ(情報)をインプットすることが重要です。前回までにお話してきたデータ分析の結果や内部監査の結果などを問題点が見えるように情報として提供することです。
中には不適合や苦情を怖がってデータの収集・分析が甘い組織もあるかと思いますが、それでは審査のため・形式だけのマネジメントレビューになり、本来の目的であるQMSの改善・その先の経営改善につながりません。
トップが危機感を持ち、マネジメントレビューを価値あるものにしていく、そのためには有益なデータが必要だということに責任を持って関与していく必要があります。
マネジメントレビュー実施のポイント |
マネジメントレビューへ |
マネジメントレビューのためのインプットとして「マネジメントレビューチェックシート」を用いて明確にし、内部コミュニケーションで定めた内部会議一覧表に従って、経営者がレビューを実施し、マネジメントレビューからのアウトプットを「マネジメントレビューチェックシート」で明確にします。
マネジメントレビューの結果として、以下の事項の結論をだします。
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7-1 「マネジメントレビューチェックリスト」 |
7-2 「部門別マネジメントレビュー報告書」 |
マネジメントレビューの記録は、品質記録管理規定に従って、維持管理します。
マネジメントレビューをより効果的にするには、以下の事項を追加するとよいでしょう。 |
1 | マネジメントレビューへのインプット | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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2 | マネジメントレビューからのアウトプット マネジメントレビューからのアウトプットとしては、以下の情報を含みます。 | ||||||||||||
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3 | マネジメントレビューの記録化 |
レビューの結果を記録し、社内イントラネットなどで組織内に伝達し、経営者の決定・考え方を組織内に示します。 |
4 | マネジメントレビューのやり方 |
ISOの要求事項には、マネジメントレビューでやらなければいけないことは書いてありますが、そのやり方には決まりがあるわけではありません。ですから、自社の実情に合った無理のない効果的な方法でやればよいでしょう。例えば、社長などの経営者と幹部が定例的に行う会議体などを利用してやるのもひとつの方法です。 いずれにしても、経営者と幹部がコミュニケーションを取れるいいチャンスでもあるので、年度や半期に一度、経営者が全体にわたって見直しをする習慣をつけると、これがTQMで言う「トップ診断」へと発展するベースとなり得ます。まずは、マネジメントレビューを含む「トップ懇談会」とでも言うようなしくみをISOを利用して作ると良いのではないでしょうか。 |
ISO9001 内部監査、マネジメントレビューの確認
内部監査・マネジメントレビューは、ISO9001システムの継続的改善を達成し、顧客満足向上を実現するためには不可欠な仕組みです。また、定期審査・更新審査への対応を行うためにも、内部監査・マネジメントレビューは必須の取り組みです。
下記の内部監査・マネジメントレビューに関するチェック項目をご確認いただき、内部監査・マネジメントレビューの見直しを行うことで、改善する組織作りにつながります。
内部監査・マネジメントレビューは、ISO9001システムの継続的改善を達成し、顧客満足向上を実現するためには不可欠な仕組みです。また、定期審査・更新審査への対応を行うためにも、内部監査・マネジメントレビューは必須の取り組みです。
下記の内部監査・マネジメントレビューに関するチェック項目をご確認いただき、内部監査・マネジメントレビューの見直しを行うことで、改善する組織作りにつながります。
<内部監査・マネジメントレビューの確認事項>
- 内部監査は予定通り実施されているか?
- 内部監査員は各部門ごとに養成されているか?内部監査員のスキルアップに関する取り組みを定期的に実施しているか?
- 内部監査チェックリストは規格の要求事項に加えて、自社の定めたルールが記載されているか?
- 内部監査では、“改善につながる監査”が行われているか?
- 内部監査で発見された不適合は確実に是正されているか?
- マネジメントレビューは予定通りに実施されているか?
- マネジメントレビューにおいて経営者がISO9001の運用状況を確認できるような報告がなされているか?
- マネジメントレビューは改善につながっているか?