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なぜ「国防軍」が必要? 自衛官に正当な位置づけ、平和と主権・領土守る

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なぜ「国防軍」が必要? 自衛官に正当な位置づけ、平和と主権・領土守る

2012.12.8 23:58(1/4ページ)自衛隊
 衆院選では自民党が政権公約に盛り込んだ「国防軍」をめぐる議論が改憲論とも絡んで浮上している。「国防軍」の必要性とは。自衛隊とは何が違うのか。あらためて考察した。
 
 Q なぜ国防軍にする必要性があると主張されるのか
 A 日本を取り巻く東アジア地域の情勢が不穏さを増しているのに、国家として真っ当な対応ができていないことへの危機感が背景にある。
 中国は軍拡で覇権国家への道を邁(まい)進(しん)している。北朝鮮はミサイル発射を強行しようとし、尖閣、竹島、北方領土とわが国の主権や領土が脅かされる状況が次々と起こっているのに、有効な手が打てずにいる。
 失態続きの民主党政権も見逃せないが、それ以前から、周辺国の公正と信義に信頼して日本の安全を守る、そのために軍隊を放棄していると定めた現行憲法に端を発していることが根本にある。
 日本の平和を守るためにしかるべき備えは絶対必要で、国際基準に合致した「軍隊」を平和と主権・領土をしっかりと守るために有する、それが国防軍の考え方だ。
 
 
Q 自衛隊ではダメなのか
 A 今の憲法では自衛隊は存在にまで疑義をもたれがちだ。自衛隊員はこれまで不当な処遇を受け続けてきたが本来、国防とは国家が国家である限り、なくてはならない大切な営み。自衛隊を国防軍にするのは、自衛官に正当な位置づけを与え、処遇するという意味でも不可欠だ。
 自衛隊の前身は昭和25年に設けられた警察予備隊で、自衛隊は警察の延長線の組織。軍隊でも「戦力」でもなく、政府見解は「自衛のための必要最小限度の実力である自衛力」というものだ。
 例えば尖閣諸島に漁民を装った武装民兵が上陸し自衛隊が出動しても、ただちに相手を撃つことは許されない。まず逮捕すべく努力する必要がある。警察の原則が適用されてしまうからだ。
 国防軍としてきちんと位置づければ、そういうことはないが、自衛隊は法律で手足をしばられ、十分に対処できない。これが現実だ。
 
 
Q 野田佳彦首相は「中身が変わるのか」「ICBM(大陸間弾道弾)でも撃つ組織にするつもりか」などと批判し、改憲にも冷ややかだ
 A 自民党が自衛隊を国防軍にする憲法改正草案を発表したのは今年4月で、この時は全く問題にならなかった。
 野田首相の言動は多分に自民党が「危険な動き」を強めていると有権者に印象づける選挙戦術として持ち出された側面が強い。
 だが、これまでにさまざまな改憲案が公党やシンクタンクなどから提案されており、その多くの案が「軍」「軍隊」「自衛軍」などと言葉の違いはあっても自衛隊を軍隊として位置づけている。
 野田首相本人も著書『民主の敵』で「私は新憲法制定論者です。20世紀末頃には憲法論議がいろいろなところで出てきていたと思いますし、そういう機運は高まっていました。ようやく国民投票法まではいきました。戦前の大日本帝国憲法に対して、戦後の日本国憲法のことを、よく『新憲法』といいます。しかし、世界の憲法の中で、すでに15番目くらいに古い憲法になっているそうです。とても新憲法といえる代物ではありません。9条はもちろんですが…修正することをタブー視してはいけない」などと述べている。
 自衛隊も「実行部隊としての自衛隊をきっちりと憲法の中で位置づけなければいけません」「自衛隊などといっているのは国内だけで、外国から見たら、日本軍です」とも記している。
 国防軍を保有することは国際的にも“普通の国”の常識で、私たちの平和な暮らしを維持するうえでも不可欠なことだ。
 
 
Q 外国から見て「自衛隊は日本軍」というのはどういうことか
 A 政府は、自衛隊は戦時国際法として捕虜の待遇改善などを定めたジュネーブ条約でいう「軍隊」にあたるという立場だ。ところがこれも国内的には憲法上の制約から軍隊ではないとしてきた。これは野田政権も同じ立場だ。
 そうしなければ、戦争が起きた場合の殺傷行為は殺人として処罰される、といった支障が出るからだが、こういう“二枚舌”を、私たちは正面から正さず放置してきた。本来おかしいのは現行憲法の無理な拡大解釈を続けていることだ。
 
 
 Q 一部の政党、メディアは改憲の動きを「平和憲法を葬る危険な動き」「平和憲法を守るべきだ」などと批判し、「右傾化」などという指摘すらしている
 A そういう紋切り型の主張が戦後を支配してきたため、まともな議論にならないことが多い。「平和、平和」と念じているだけで平和な暮らしは得られない。
 知日家である米ヴァンダービルト大のジェームス・アワー教授は「右傾化」との指摘を批判して、「日本は(国際基準では)センター(真ん中)にようやく来たということだ。危険視するのはおかしな議論だ」と述べている。
 
 
 
 
 

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