「開かれた、海の恵み」発表予定だった首相演説の要旨
安倍晋三首相がジャカルタでの発表を予定していた政策演説「開かれた、海の恵み」の主な内容は次の通り。
日本の国益とは、アジアの海を徹底してオープンなものとし、自由で平和なものとし、世界・人類の公共財として保ち続けるところにある。日本はこの目的を達するため、20世紀後半から一貫して2つのことに力を注いできた。
1つは米国との同盟だ。世界最大の海洋勢力、経済大国である米国と、アジア最大の海洋民主主義であり、自由資本主義国の日本とは、パートナーをなすのが理の当然だ。今こそ日米同盟に一層の力と役割を与えなくてはならない。
いまひとつのモチーフとは、海洋アジアとのつながりを強くすることだ。ASEANとの関係はわが国外交にとって最も重要な基軸だ。新しい決意をこの地で述べたい。5つを原則とするものだ。
第1に思想、表現、言論の自由-人類が獲得した普遍的価値は十全に幸(さき)わわねばならない。
第2に、最も大切なコモンズ(公共財)である海は、力によってではなく、法と、ルールの支配するところでなくてはならない。これらを進める上で米国を大いに歓迎したい。
第3に、日本外交は自由でオープンな、互いに結び合った経済を求めなければならない。
第4に、日本と皆さんの間に文化のつながりが充実をみるよう努める。
第5が、未来を担う世代の交流を促すことだ。
私にとって最も大切な課題とは、日本経済をもう一度力強い成長の道に乗せることだ。伸びゆくASEANと結びつき、海に向け自らをもっと開放することは必要にして欠かすことはできない事業だ。ASEANやアジアの若者を招くプログラムを拡充、強化する。3万人の若者をアジア諸国から日本に招待する。