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[転載]小鳥が丘土壌汚染アーカイブ(226)第2回「控訴審」!その7

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l  2011年(H23)11月8日、「控訴審」の第2回口頭弁論実施
 
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その7
 
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面、の続きです。
 
(第2 本件土地の取得及び分譲の経緯)
(7 控訴人による追加土壌改良工事)
 
(2)ドラム缶の処理
 
東山工務店が上記土壌改良工事を進めたところ、本件土地の地中にドラム缶が埋まっていることが分かったので、控訴人と東山工務店は協議の上で、ドラム缶115トンを場外にトラックで搬出して処理した(乙第66号証)。
丈量図(乙第67号証)の手書きは、両備社員が東山工務店との協議の中で書き込んだものであるが、ドラム缶らしきものを埋め込んだ場所と手書きされているのも、ドラム缶があることが後から分かったため、そのとき書き込んだものである。
 
工事を進める中でドラム缶があることが分かり、追加で搬出したので、出来高調書にはドラム缶搬出の記載がないが、東山工務店は別途請求書によりドラム缶搬出による工事代金322万円を請求している(乙第66号証)。
東山工務店が工事もしていないのに、「請求書」を控訴人に送付してくることは業界慣行としてあり得ず、真にドラム缶搬出を行ったことは明らかである。
 
(3)ユーコーデルセンの噴霧
 
控訴人は、ケミコによる土壌改良作業中の悪臭を消すために、有恒薬品株式会社製のユーコーデルセンという業務用の防臭剤を噴霧した(乙第68号証)(「ユーコーデルセン」の「ユーコー」の由来となっている有恒薬品株式会社は住化エンビロサイエンス株式会社に経営統合され、同社のHPでは社名を変更した「デルセン®『ES』」として取り扱われているが、同社のHPでは、同製品は悪臭物質を科学反応により消臭するところに特徴があり、速効性、持続性を有する商品として紹介されており(乙第69号証)、同社に電話照会したところ、ユーコーデルセンとは成分等を含め全く同じ商品であるとのことである。)。
 
防臭剤噴霧も、追加の作業であるため264万円の請求書形式になっているが、工事をしないまま「請求書」を控訴人に送付してくることは、業界慣行として考えにくく、真に②防臭剤噴霧を行ったことは明らかである。
 
控訴人は、昭和60年5月15日に621万円の工事代金を東山工務店に支払っている(乙第65号証)。同時期に(2)(3)の工事代金合計586万円と金額が近似していることから、621万円はこれらの工事代金として支払われた可能性も十分に考えられる。
 
(4)土壌改良工事後の待機と盛土・造成工事
 
以上の土壌改良工事の後の本件土地は茶色の土で、以前とは比べものにはならないほど臭いも消えていたが、臭いが完全には消えていなかったので、控訴人は本件土地から臭いが空気中に飛散して消えるのを待つことにした。
 
その後、約2年を経過させたところ、本件土地から臭いはほとんどしなくなったことから、控訴人は本件土地を分譲地として販売するため、造成工事を行うこととし、昭和61年12月1日に開発行為の許可を岡山県に申請し、昭和62年2月23日、岡山県から開発許可を取得した(乙第70号証の1)。
この際、岡山県からは、特に開発許可に関し、条件を付けられていないし、臭いについての注意喚起を促されたことはなかった(乙第70号証の1、乙第70号証の2)。
 
給水施設に関しては、岡山市からの指導により水道管の本管は鉄管を使用し、本管からの引込管は鉛管を使用しているが、控訴人が給水施設に関する岡山市との協議を依頼していた有限会社邦洋設備所(以下「邦洋設備所」という。)や給水施設も含めた本件土地の開発全体に関する岡山県・岡山市への開発許可申請に必要な書類の作成・提出等を依頼していた株式会社山崎測量事務所(以下「山崎測量」という。)からは特に給水施設に関する注意喚起を受けたことはなかった。
 
控訴人は許可を取得した後、造成工事に着手し、分譲地としての造成に必要な側溝等の工事をした上で、真砂土で約0.5メートル盛土を行った。
 
造成に際して、北側土地に、駐車場として使用するための空間を掘り抜く等したが(乙第71号証)、周りの土とは違う色の土が出てきたということはなく、悪臭が強くなったこともなく、ましてや黒い汚泥や汚水が出てきたといったことはなかった。
当時、地面をどこまで掘っても表面に見えているような灰色っぽい色の土が出てきただけであった(乙第25号証4頁)。
 
造成工事後、控訴人は、有限会社岡山造園と岡山県工業技術センターにPH試験を実施させ、PHが6.8~7.7の中性の正常値であったことから(乙第72号証)、本件土地の分譲を開始した。
 
その後、昭和63年、平成2年に控訴人は順次本件土地の開発許可を取得して、第2期、第3期の分譲を行った。
その際、本件土地は現在の本件土地の地中の土のように、強い異臭を放つようなものではなかったため、特に気に留めることなく、そのまま分譲しており、住民からも造成時に異臭による苦情を受けたことはなかった。
 
8 現在の土壌汚染との関係
 
このように、控訴人は、本件土地の悪臭を消す目的で、土壌改良工事や防臭工事を行い、造成工事において約0.5メートルの真砂土による盛土をした上で、本件土地の分譲を行ったものである。
 
本件土地からは、黒い土が出てきて、異臭がする地点もあるとのことであるが、少なくとも本件分譲当時は土を少し掘っただけで黒い土や異臭がする状況ではなかった。
造成工事後、実際に、分譲工事が行われ、その際には特段の苦情のなかったことがその証左である。
なお、原判決では、平成2年の造成時(原判決では第2期とされているが、正確には第3期のことであると思われる。)に、部分的に乾いた黒い土が出てきたことがあり、臭いも残存していたとの判断があるが、平成2年の造成工事当時に見つかった黒い土は、現在の黒い土とは様態が異なっており、また異臭も現在のような強烈なものではなかった(○○氏証人調書87頁~90頁、乙第27号証2頁以下)。
 
次回に続く
 
 
ブログコメント!
 
控訴人(両備)の第1準備書面 上記(2)ドラム缶の処理 について反論。
 
これらの事実経過は、改めて控訴人らは本件土壌汚染の実態について詳しく知りうべき状況にあり、汚染の経過と激しい土壌汚染の実態を知っていたことを確信させるものである。
 
工事の途中で、埋もれているドラム缶に気づいたり、途中で一部の汚染土壌の搬出をしたり(乙57号証)、計画的な土壌汚染対策がなされていなかったのは明白である。
 
控訴人(両備)の主張によって、ずさんな造成工事、土壌汚染対策の実態がより明らかとなっている。
 
造成工事中にはたくさんのドラム缶が埋め立てられていた事実が判明して、搬出をしている。その際の廃油処理は115トンにも及んでいる(乙66号証)。
 
さらに、油分を含んだ土1450トンを産業廃棄物として搬出したとの説明もある(乙57号証)。
 
これらの記述だけですさまじい汚染があったことが推測されるが、控訴人(両備)は、土壌汚染は認識可能性がなかったと強弁している。
 
2011/12/16() 午後 8:48 [ 小鳥が丘団地救済協議会 ]
 
 
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2011年11月24日
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その7
 
【第二審】
控訴人・附帯被控訴人・被告  ; 両備ホールディングス株式会社
附帯控訴人・被控訴人・原告  ; (小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
 
2011年(H23)11月8日に行われた、第一次訴訟(3世帯)・第2回「控訴審」に提出された準備書面を掲載しています。
 
マイホーム土壌汚染被害・民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯被害住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
 
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
 
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われ、判決言い渡しは2012年6月28日に行われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!

転載元: 小鳥が丘団地救済協議会(土壌・地下水汚染公害被害)


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