永遠のシルクロードの詩(うた)
その古き昔 中央アジアを横断する古代の道なき道
中国 長安洛陽を発して西へ西へとひたすらに続く道々
タリム盆地を通り熱砂のタクラマンカン砂漠に陽炎を視て
砂嵐に遇いパミール高原を越え 高く聳える天山山脈の氷雪を乗り越え
西アジアから やがて 暖かき地中海のローマ帝国に至る
果てしなき苦難苦行の道
何世紀に渡り幾多の人々の軌跡が
アジアとヨーロッパの民族の東西文化交易路として
古代の名もなき道に余りに多くの歴史を刻み込んできた
この道はいつしか現代に至って ヘディンが名づけた
シルクロード 絹の道と呼ばれるようになった。
この道に点在する幾多の民族は果てしなき野望と夢と抱いて
蜃気楼のように国家の興亡を繰り返して 幾多の民族が混沌として闘争を繰り返してきた
敦煌からアルトゥン山脈に沿いホータンなどタクラマカン砂漠のオアシスを通り抜けて西域にいたる最も古き 獏南路
敦煌からトルファンを経てウルムチに至り イリ河流域の
国々に達する天山山脈の北山麓を進む 天山北路
さらには
敦煌から楼蘭を経てコルラに達する中央路は
多くの隊商たちの血と汗の染み込んだ天山南路と呼ばれる
いつしか現代人は これらの中央アジアをつなぐ路を
シルクロードと呼ぶようになった。
秦 漢 唐 隋 宋 元 明 清 五大十国 モンゴル帝国
チベット イスラム トルコ イラン キプチャイ
キルギス テュルク ウィグル トルクメニスタン
ウズベキスタン タジクベキスタン カザフスタン
トルコ タタール アルメニア 鮮卑 契丹
紀元前にはあの秦の始皇帝が1世紀には漢の劉邦が武帝が7世紀には李淵の唐帝国が支配し、
玄奘三蔵法師が 苦難苦行の果て何十年を賭けて
仏教を伝え 12世紀にはモンゴル帝国大ハーンのチンギスハンがこの広大な大陸を駆け巡った。
国があればこその皇帝皇后と尊ばれども
国滅びゆけば ただの無名の庶民となりゆく
国敗れても 民と山河は在り 民は 国の礎
モンゴル帝国
11世紀ごろの王朝
吐蕃 西夏 敦煌 鳥孫 ホラズム 遼 モンゴル帝国
と歴史の谷に埋もれて逝った数多くの王朝の変遷
建国と滅亡を繰り返して兵士たちが戦いを繰り返しながら
隊商たちがアジアの人々が果てしなき血と汗と涙の
歴史を刻み続けたこの古の大陸の東西交易路を
現代人はいつしかシルクロードと呼ぶようになった。
真っ赤な夕陽に包まれ焼けるような砂に埋もれる多くの廃墟
この永遠の路シルクロードに眠る無名の人々よ
人々は壮大で遥かなる希望と夢と奇跡を託しながら
それはシルクの名のように
美しい光沢を放ち 蚕の繭の如く 繊細で
しなやかな風色を漂わせて 多くの人々を魅了する
2000年の歴史の舞台を優雅に演出し
現代に至るまで いまだ 限りなく膨らむ夢と
悠久のロマンの音色を奏でている。