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インダス文明は、パキスタン・インド・アフガニスタンのインダス川及び並行して流れていたとされるガッガル・ハークラー川周辺に栄えた文明

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インダス文明

 インダス文明(インダスぶんめい、Indus Valley civilization)は、パキスタンインドアフガニスタンインダス川及び並行して流れていたとされるガッガル・ハークラー川周辺に栄えた文明で、現在南インドを中心に暮らしているドラヴィダ人によりつくられたと推定されている。考古学上は、ハラッパー文化と呼ばれ、パキスタン、パンジャブ州ハラッパー標式遺跡とする。
 
 インダス文明が栄えたのは紀元前2600年から紀元前1800年の間である。滅亡については諸説あり、現在では、地殻変動によってインダス川河口付近の土地が隆起し、そのために洪水が頻発して耕地に塩害をもたらし、さらにインダス川の河道が移動したことによって、水上交通を前提とした貿易によって機能していた都市の機能を麻痺させたためという説と、後述するように砂漠化に伴って都市が放棄され住民が移住したという説がある。
 また、ドラヴィダ人は、紀元前13世紀に起きたアーリア人の侵入によって、被支配民族となり一部が南インドに移住した。
 
都市
 
インダス文明諸都市の分布
 
 大小の都市が建設された。都市の規模は、メソポタミアのものよりも小さく、モヘンジョ=ダロとハラッパーがメソポタミアの小都市にようやく匹敵する規模であった。主な都市遺跡を下記に掲げる。(このほかに小規模の遺跡が多数知られる)
  1. ハラッパー(ラーヴィー川流域、分離型、76ヘクタール:周囲を含む全体推定値150ヘクタール)
  2. カーリバンガンパンジャブ地方、ガッガル・パークラー川流域、ラーキーガリー105ヘクタール:分離型、バナーワリー16ヘクタール:一体型、カーリバンガン12.1ヘクタール:分離型)
  3. モヘンジョダロパキスタン南部、シンド地方、インダス川下流域、分離型、83ヘクタール:周囲を含む全体推定値125~200ヘクタール)
  4. マクラーン地方(ソトカー・コー1.5ヘクタール:分離型、ソトカーゲン・ドール1.95ヘクタール:分離型)
  5. グジャラート地方(北西インド、どの都市も一体型、ロータル7ヘクタール:穀物倉、沐浴室の列、基壇、ドーラビーラ52ヘクタール:居住地域部分のみ19ヘクタール、スールコータダー0.72ヘクタール、クンターシー1.56ヘクタール:穀物貯蔵室、土器・銅の工房、バーバルコート2.7ヘクタール、ロジュディ7ヘクタール:大型方形建物)
うち、モヘンジョ=ダロ、ハラッパーは、1km 四方を超える規模をもつ。
 
 都市には2種類あって、「城塞」と「市街地」が一体のタイプ(ロータル、ドーラビーラ)と、「城塞」と「市街地」を分けているタイプ(モヘンジョ=ダロ、ハラッパー、カーリバンガン)とがある。
 城塞とは周塞に囲まれている集落で、大沐浴場や火の祭壇、さらに「穀物倉」「列柱の間」「学問所」など大型で特殊な構造の建物が一般家屋とは別に建ち並んでいる。インダス文明では、他の文明のように王宮や神殿のような建物は存在しない。周塞の目的としては、何らかの防衛や洪水対策の他に、壁と門を設けて人・物資の出入りを管理する事も考えられる。 モヘンジョ=ダロでは市街地の周塞が発見されていない。

 文化

 
様々なインダス式印章
 
 都市遺跡からは、多くの「インダス式印章」が出土する。凍石製で、印面は、3~4cmの方形で、インダス文字とともに動物などが刻まれている。動物は、サイ、象、虎などの動物のほかに後のインドの文化にとって重要な動物であるが刻まれているのが目立つ。
 一方で、一角獣など架空の動物が刻まれたり、「シヴァ神」の祖形と思われる神などが刻まれていることもある。商取引に使用されたと考えられ、メソポタミアの遺跡からもこのような印章の出土例がある。インダス文字は現在でも未解読である。統計的分析などができる長文や、ロゼッタ・ストーンのように多言語併記の物が出土しないことが研究の大きな障壁になっている。

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